デジタルサイネージ用大型マルチモニターに有機ELが不必要な理由

進化が続く家庭用のテレビやモニター。過去には4Kや8Kといった概念をご紹介しました。

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最近は一般家電売り場で「有機ELパネル」を採用した高画質モニターが目立つようになってきました。では一体、この有機ELパネルを採用したモニターはどのようなメリットがあるのでしょうか?

有機ELパネルのメリット

有機ELパネルという新技術が注目されている理由は、そのメリットにあります。ではどのような点が液晶パネルと比べて優れているのでしょうか?


※液晶パネルと有機ELって何が違うの?

バックライトを持たない有機EL、即ち薄くて軽いモニターとなる

有機ELは液晶パネルのようにバックパネルを必要としません。そのため、全体的な厚みをかなり薄く仕上げることが可能です。また、重量も軽く仕上げることができる部分もメリットとなります。


※従来の液晶パネルよりも極端に薄く仕上がる有機ELモニター

黒色がより鮮明になることでコントラスト比が高くなる

バックライトを持つ液晶パネルは、黒色を表現する場合でもバックライトは常に点灯したままで実は真っ黒というわけではありません。少し明るみのある黒でしかありません。

バックライトを持たない有機ELモニターは、黒をより黒く表現できるためコントラストが強くなり、シャープな映像を表現することができます。

消費電力が少ない→電気代が安い

バックライトを持たない構造の有機ELパネルは省電力での使用が可能です。なので結果として電気代が安く済むというメリットがあります。

有機ELパネルのデメリット

では次に有機ELパネルのデメリットにも触れたいと思います。

モニターの購入代金が高い

例えばですがとあるメーカーの55インチ液晶テレビと有機ELテレビの価格を比較してみると、液晶が64,700円、有機ELが149,800円となっています。

画面が大きくなればなるほどその差は大きくなり、相当な価格差となります。

画面の輝度(明るさ)が液晶に比べて暗い

画面の明るさがあまり出せない有機ELモニターは明るい場所への設置に適していません。

部屋の中で個人的に番組などのコンテンツを楽しむには不自由ありませんが、屋外の自然光の影響が強い場所では画面を暗く感じてしまい、まったく役をしません。

有機ELモニターは大型液晶マルチモニターに必要か?


※日差しの影響を受ける場所には有機ELは適さない(写真は液晶パネル)

有機ELパネルのメリット、デメリットを考慮して、デジタルサイネージ用の大型マルチモニターに有機ELパネルは必要か否か?を考えた場合に、今のところ必要ないというのが私たちの見解です。

まず、業務用に使用するモニターはダメージに強いということが必要となります。薄型軽量はメリットではありますが、あくまで家庭での使用についてのメリットでしかありません。

逆に薄型だとパネルがダメージを受ける可能性が高くなり、画面を連結する場合にはデメリットになってしまいます。

また、輝度が出せないという部分もデジタルサイネージにとっては大きな痛手です。明るさを出して目立つようにしたいのがデジタルサイネージ。どちらかというとコントラストうんぬんより、目立つように仕上げたいためこれも弱点となってしまいます。

有機ELパネル=家庭向き

大型のマルチモニターだけでなく、通常のデジタルサイネージでもあまり有機ELパネルを採用する意味がないと今は言えます。

基本的に家庭で使用する場合に有機ELパネルはメリットが強く、デジタルサイネージとして使用する場合は、デメリットのほうが大きいことを知っておきましょう。

しかし、有機ELパネルを使用したデジタルサイネージが有効な場合も考えられます。導入に際してはデジタルサイネージに詳しい業者などに相談してから決めるのがよいでしょう。