商業施設や企業の会議室に複数のモニターを連結して作る大画面とは?

液晶ディスプレイを組み合わせて巨大な画面を実現するマルチモニターサイネージとは?

液晶モニターを複数連結して組み合わせ、大画面化するマルチモニターサイネージ。広告や情報発信のデジタルサイネージとしては、駅構内や商業施設(ショッピングモール)などたくさんの人が集まる場所でよく見かけます。

インパクトのある大画面で訴求力を上げること、遠くからでも視認されやすいこと、一度に多くの人に見てもらえることがメリットです。

またこのような大型モニターは、最近ではオフィスや学校のエントランス、会議室への導入も進んでいます。デジタルサイネージと言えば「広告映像」というイメージが強いですが、企業のオフィスでの社内情報共有、リモート会議や授業を行うツールとしても注目度が上がっています。

大型液晶マルチディスプレイの構造とは?実際の導入事例で設置の流れを紹介します

では、マルチモニターサイネージとはいったいどうやって作られるのでしょう?大阪工業大学様のエントランスに導入いただいた事例を元に、設置の流れやシステムの構造をご案内します。

マルチディスプレイを利用したデジタルサイネージは壁面への設置や、アンカー式スタンドで固定する方法がポピュラーです。大工大さんの設置希望箇所には壁面がなかったため、自立式のアンカースタンドをご用意しての対応となりました。

部品の構成

■モニター(液晶ディスプレイ)

まずはメインのモニターです。今回は55インチのモニターを9台連結します。モニター1台あたりのサイズは横幅が約121.5センチ、縦幅が約68.5センチです。

マルチモニターでデジタルサイネージを構築する場合には、弊社は専用の薄ベゼルディスプレイを推奨しています。

液晶画面を囲う黒い枠(ベゼル)が極端に薄い仕様となっており、一般的な液晶モニターを使用する場合と比較してディスプレイ連結部のラインが非常に細く仕上がることで、見た目の違和感を軽減することができます。

👇一般的な液晶モニターを使用した場合のつなぎ目ライン

👇マルチ専用薄ベゼルモニターを使用した場合のつなぎ目ライン

この様に結合部のラインの太さがディスプレイを組み合わせたときのポイントになります。もちろん「ラインが太くても構わない」とお考えの場合はそれでも構いません。

■映像分配器(マトリクス)と配線

次に制御装置です。映像を9枚のモニターにそれぞれ映し出す制御を行います。映像分配器(マトリクス)と各モニターをHDMIケーブルでつないでいきます。これだけのシステムになってくると配線の本数もかなり多くなります。

今回は複数プレイヤーの映像入力ができるマトリクススイッチャーというものも用いましたが、特に分割配信が必要なく、ひとつの映像が画面いっぱいに映るだけで良い場合は、単なる分配器を用いても構いません。

■専用アンカースタンド

最後にモニターを組み付ける大型のスタンドです。モニター9台の重量を支える必要があるのでかなりしっかりした作りです。一通り仮組みを行い、床面にアンカー固定します。

壁面設置の場合は専用の壁掛け金具がありますので、そちらを利用してモニターを設置することができます。

👇壁面設置用金具

機材の動作チェックを行い設置前の準備

設置作業に入る前の準備では、モニターの液晶不良やしっかりと通電するかのチェックを行います。液晶モニターなどの精密機械は配送時の衝撃などでダメージを受けることがあります。液晶の割れや映りにムラがないかをこまめにチェックします。

また、初期不良品の使用を防ぐために数日間モニターを映したままにする「エイジング」を行い、モニターの安定性もチェックします。

ここでは合計9台のサイネージディスプレイを使用しますが、ベゼルの極端に薄いマルチ専用ディスプレイは取り扱いがかなりデリケートなため、大事を取って予備1台をプラスした合計10台をチェックしました。

その際に映像分配を行う中継機のマトリクスも同時に接続し、映像配信システムの設定を先に行っておきます。

設置作業

現場での設置作業は「安全・正確・スピード」を常に意識して行います。事前にシミュレーションをし、現場で不備がないように心がけます。今回はスタンド設置なので、まず最初に行うのはスタンドのアンカー固定です。

大きなスタンドになるので転倒防止のための床面アンカーを何箇所も打って固定します。スタンドが完成したらディスプレイを設置していきます。

ディスプレイの背面4箇所にスタンドへ引っ掛けるためのフックを取り付け、それを利用してスタンドへ並べていきます。

9台全てを引っ掛けたらモニターの位置や凹凸を1台ずつ微調整していきます。マルチサイネージの設置作業で最も重要かつ時間を割く作業になります。

調整終了後にマトリクスやHDMIケーブルをつなげ、きちんと映像が流れるか最終チェックを行います。

たまたま設置作業を見学されていた学生さんに、ゲーム機を接続して画面のチェックをしていただきました。

マルチモニターサイネージで映像を配信するシステムの解説

マルチモニターデジタルサイネージでの映像配信は、映像分配器に付いているHDMI入力ポートを通じて行います。今回はパソコンをつないで、9台のモニターにひとつの画像を巨大表示します。パソコンのHDMI出力と分配器のHDMI入力をケーブル接続します。

すると9台のモニターが連動してパソコン画面が全面に映し出されます。大阪工業大学さんでは通常時、主に学生さんへの情報掲示で利用いただいています。

パソコン以外にもDVDプレイヤーやゲーム機など、好きなプレイヤーを接続することができます。また、「マトリクス」という映像分配器には複数の入力ポートがあり、同時に複数の映像出力をすることも可能です。この機械は「マトリクススイッチャー」と呼ばれるものです。

👇複数映像の同時分配再生(例)

マトリクススイッチャーは大小様々なマルチディスプレイに対応することができるように、入出力のポート数を選べるようになっています。例えば4台のモニターを使ったマルチディスプレイなら、入力は最大4ポート、出力は最低4ポートが必要となります。

大阪工業大学でのマルチモニターサイネージ設置ビフォーアフターと活用事例

今回の記事でご紹介させていただいた大工大さんのマルチモニターデジタルサイネージは、建物の正面玄関を入った場所にあるモニュメントを撤去して、そこに設置してほしいとのご依頼でした。

👇ビフォー

👇アフター

大画面を「電子掲示板」として利用することで、学校側が学生に伝えたいことがスムーズに伝達できるようになりました。また、エントランスを入るとすぐ目に入ってくるので、多くの学生が目にすることができる場所で非常に効果的です。

通常はこの様に主に学生に対するメッセージを表示していますが、学内イベントやオープンキャンパスの際は特別なコンテンツを表示しています。映像配信用のプレイヤーにパソコンを選定することで、様々な画像・映像コンテンツが表示できるので、時と場合に応じた映像の配信が可能です。

マルチモニターサイネージの使い道とは?

マルチモニターサイネージは今回の事例のように大型電子掲示板としての利用や、駅や商業施設での広告、ビジネスシーンではリモート会議用の大型モニターとして使用されることもあります。ここでは弊社導入事例を元に、液晶マルチサイネージの使用用途一例を挙げてみます。

リモート朝礼や会議での使用

企業の会議室や休憩室に大型のマルチディスプレイを導入する事例が多くなってきています。使用用途としてはリモート会議や朝礼、休憩スペースでは大画面でテレビ放映などを行うパターンが多いようです。

会議での資料共有ツールといえばプロジェクターが使われることも多いですが、全体的に見えにくいことや部屋を暗くする必要があるため、そのウイークポイントが賄える大型の液晶ディスプレイが注目されています。

展示会場やイベント会場でド派手なインパクト!

短期決戦の集合展示会イベント。特に大きな展示会場では多数の出展ブースが集まり、自社ブースのアピールに苦慮するものです。大型のマルチディスプレイをブースに採用することで、セールスプロモーションはもちろんのこと、アイキャッチやブースの雰囲気づくりにも貢献するためおすすめのツールと言えます。

施設のエントランスで雰囲気を演出

殺風景でなにか物足りない施設のエントランスにマルチディスプレイを取り付けて、イメージアップを図った例もあります。季節に合わせた映像を流し、エントランスの雰囲気をガラリと変えてしまいます。

液晶マルチディスプレイのメリットとデメリット

最後に簡単ですが、大型液晶マルチのメリットとデメリットを記載しておきます。

大型マルチサイネージの一番のメリットは、とにかく大きな画面でインパクトがあり、遠くからの視認性にも長けている点です。大きさに制限なく好きなサイズに構築できることも魅力です。

しかし多くの配線や専門的な映像分配器を使用するため、接続が複雑になります。トラブルを自分で解決するのが困難な場合があります。また、長く使用し続けると劣化によるモニターの個体差で、画面の色や明るさに違いが生じることがあります。

以上、大型のモニターやデジタルサイネージをお考えの方は、是非参考にしていただけると幸いです。

ヤマトサイネージのマルチモニターとは?
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